【全体コンセプト】
『2.5世帯家族の家』
・それぞれの世帯が程よく交わりながら、自分の好きな居場所を持てる家とすることで、心地よさを確保することをメインコンセプトに考えました。
・広大な敷地をバランスよくゾーニングし、道路のある北西側をアプローチ、南東側を庭、そしてほぼ中央に建物を配置しました。建物は少しだけ北東側に寄せ、南からの採光が入りやすい計画としています。
・アプローチは歩行動線と交わらない位置に駐車スペースを確保し、玄関は建物の中央に配置し、どのエリアにもアクセスしやすい動線としています。
・庭は南側をメインに、建物の四方に大小のスペースを確保し、子どもの遊び場、母の家庭菜園などの様々な用途に使えます。
・建物は、東側に伸びる敷地形状に沿って段状に空間を繋げました。これにより動線や視線が程よく交わり合いながら、屋外と接する面が増えることで採光を効率よく確保できるようにしています。
・各部屋の配置も世帯毎の機能的なゾーニングとし、1階は全世帯の共有スペースと母の部屋、2階は夫婦世帯と姉の部屋として無駄な動線をなくし、暮らしやすい間取りとしています。
・共有スペースは、LDKと水廻りを機能的に配置し、程よく繋がり程よく区画されることで、それぞれの居場所を確保できる家を目指しました。

【各階のポイント】
■1階
・玄関は北側中央から入り、ホールを通して各世帯のエリアに直接アプローチできます。土間を隣接させ、シューズクロークや車用品、趣味の道具など大型収納として使えます。
・LDKは南西側に集め、リビングとダイニングは空間をずらして配置しています。リビングは全世帯が集まる場所として9.5畳の広さと吹抜を確保し、狭さを感じないよう工夫しました。
・ダイニングは6人掛のテーブルを配置しています。
・キッチンはコミュニケーションの取りやすい対面式のアイランド型を採用し、複数人での作業も可能です。背面は壁一面のパントリーを設け、冷蔵庫も目隠しできる仕様となっています。さらにキッチンから水廻り空間へ直接アプローチでき、家事動線がスムーズになるよう配慮しています。
・水廻りは、家事メインとなる母の動線を考慮し、各室が直線的に繋がるようにしています。洗面室は独立させ、横に長い洗面台のため複数人で使用可能です。
・脱衣・家事室は6畳以上の広さを確保し、家事スペースは室内でも屋外でも物干しがスムーズに行えるよう、日当たりの良い窓側に配置しています。
・浴室は1.25坪の広さと、夫用のシャワーブースを別途確保しています。
・母の部屋は、ホールから直接アプローチでき、独立した個室空間としています。
■2階
・姉の部屋は母の部屋の上階に配置し、夫婦世帯とは別の独立動線(階段)を設けています。また夫婦世帯のエリアと2階で繋がる動線も確保しています。
・夫婦世帯のエリアは、まずリビング・キッチンを中央に配置し、各部屋へ直接アクセス可能です。
・リビング・キッチンは合計11畳の4人家族でも十分な広さで、南側の採光も確保しています。
・夫婦の主寝室は、テレビや書斎スペースを確保できる7.5畳の広さに加え、2畳分のウォークインクローゼットを隣接させています。
・子ども部屋は、ベッドと収納のみのコンパクトな広さですが、将来的に間仕切りしても各部屋へ独立してアクセスできるようにしています。
・ファミリークローゼットは、リビング中央からアクセスできる配置にしています。