【全体のコンセプト】
「アウトドアリビング」は、アウトドアという住宅の外側の要素と、リビングという住宅の内側の要素に分けられます。そこで、ソトとウチの公私の作り方に着目し、自然を介しながら関係を繋げていきます。これによりご要望を十分踏まえた上で、公私に豊かなバリエーションをつくり、同じウチ/ソトでもいくつかの分節をつくります。この分節によって、自然の中の快適な住環境に加え、ホームパーティやBBQといった場面も同時に包むことができる住宅を提案します。

【こだわりのポイント】
□1階
■入り口
南西に玄関の方向をとり、西側のガレージとリンクさせた入り口の計画となっています。植栽や芝生で視覚的にも柔らかなエントランスとなっています。
■土間
アウトドア系の収納・ヘアカットの場として、木々の影が落ちた広めの土間を設けました。
■LDK
住宅の中心には家族が集まるLDKとし、パントリーのあるキッチン・すぐ配膳できるダイニング・テレビと木々が見えるリビング・目の届くサブリビングとしての和室(キッズスペース)をつくり、1つの場としてまとめました。和室は座れる高さに一段上げ、壁のないつながった空間にしました。パントリーは駐車場からすぐの位置とし、加えてキッチンの窓から外が確認でき、生活リズムが幅広い家族一人ひとりを送り迎え、夜間はエントランスを照らす照明となります。
■収納
主寝室-浴室-洗面とつながった動線の中心位置に、ウォークスルークローゼットを設けました。これにより、身支度が素早くでき、洗濯前後の負担を減少します。また家族全体の収納は階段下のデッドスペースを活用し、無駄の少ない収納計画としました。
■洗面所/脱衣所・風呂
洗面所は独立させ、タオルやドライヤーなどの収納スペースを壁につくりました。また脱衣所は洗濯機スペースと肌着の収納スペースに加え、室内干しができるふくらみをもたせました。お風呂も1.25坪の広めの設計としています。
■庭とのつながり
同じ庭でも、アウトドアで大勢が集まる外庭と家族の住環境を向上する中庭の２つを計画しました。広々とした庭に分節をつくることで、開き方が快適で豊かな住宅をつくります。
<外庭>
四季の彩りが感じられる木々を置き、プライバシーを守る植栽を東西に配しています。主に西部ではLDKとつながった広々なデッキを中心として、アウトドアリビングをつくっています。二方向のステップが心地よいデッキの開放性をつくります。東部では、お風呂東に外水栓を設け、趣味用品の洗浄に加え、夏にはここで子供プールができます。西部に集中せず、横長の敷地をふんだんに使った外庭の計画です。
<中庭>
洗濯干しや主寝室・リビングは木々との繋がりによる開放的な場である事と同時に、外からの視線を防ぐことが必要です。そこで、高さ2,000mmの木格子ルーバーで囲まれた中庭を設け、この中庭を中心として主寝室・洗濯スペースとしてのデッキ・リビングを繋ぐことで、プライバシーを保護しながら開放的な場をつくることができます。また住宅正面を木・コンクリート・ルーバーといった多彩な表情としていきます。夜はルーバー・木々が埋込照明によって照らされ、ご要望の洋風なイメージに和的な木の表情を加えます。

□2階
■1階との繋がり
2階は1階のLDKの中で、キッチン-キッズスペース部と縦に繋がっており、食事の香りや、お子様の笑い声で全体が満たされていきます。木の梁と丸柱が吹抜け空間に彩りを加え、開放的で明るい空間をつくります。
■子ども部屋
光が入りやすい南向きに開口を取り、将来２つに分けられるような計画にしています。またキッチン側にも開口を取り、子供の気配が一階にいても感じられます。
■書斎
北向きの開口から落ちる柔らかな光がデスクにふさわしい日射をおとします。またバルコニーとつながり、閉鎖的ではない書斎となります。バルコニーは子どもの布団干しスペースにもなります。
■トイレ
手洗い付きトイレとし、入り口北に収納スペースを設けています。